
「―私は、魂がほしいの」
青年に相対した少女は、まるで虚空にでも呟くようにそう告げた。
青年の名は夏目明彦。
日本の学生であり、見聞を広めるため、ここ英国へ留学に来た。
そして、友人のジャックから深い森の奥にある廃城の噂を聞いてしまう。
足を踏み入れたが最後―誰も帰ってきた者はいないと。
馬鹿馬鹿しいと笑い飛ばした明彦だったが、ある日興味本位で足を踏み入れてしまった。
この、人々から魔の城と恐れられる、古城へと。
そこで出会ったのは、恐ろしいほどに美しい少女。いや、少女というのは正しくない。
なぜなら彼女は、とてつもなく精巧に造られた『自動人形』だったからである。
人に造られた存在―。だから、彼女には魂がない。
彼女は、もう何年も魂を欲しているのだという。
少女のような可憐な笑みも、時折見せる寂しげな目元も、全ては人間が計算し、刻み込んだ紛い物。
いくら本物のように見えようと、人形であることに変わりない。
『完璧』を求めて造られた彼女にとって、それは耐えがたきことだった。
魂―。魂さえ有れば、本物になれる―と。彼女はそう信じていた。
そして久々にこの城に足を踏み入れたのが、明彦だった。
これまで出会った人間とどこかが違う明彦に、少女は何故か心を動かされ、しばらく生かしておくことにする。
かくして、命を預けることになったこの少女との不思議な生活が幕を開けた―
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発売日 | 2017-09-29 10:00:00 |
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メーカー | サイク |
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作者 | 竹下ノート |
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品番 | 885cycl302 |
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JANコード | 4580334663028 |
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メーカー品番 | CYCL-302 |
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価格 | ¥3003 |
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レビューと口コミ
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